●0.75ポイントの上げ幅は市場予想を下回る
●インフレ高進の中、景気の腰折れを避けるため小幅に留めた
ポーランド中央銀行(NBP)は5日、主要政策金利である7日物レファレンス金利を0.75ポイント引き上げ、5.25%に設定した。利上げは8会合連続。市場は1ポイントの上げ幅を予想していた。インフレリスクを下げる一方、景気の腰折れを避けるため小幅の利上げに留めた。ロンバート金利は5%から5.75%に、公定歩合(再割引率)は4.55%から5.3%に、預金金利は4%から4.75%にそれぞれ引き上げた。
同国のインフレ率は4月に12.3%となり、2月の8.6%から急拡大した。ロシアのウクライナ侵攻を受けた食糧価格の大幅な上昇に加え、燃料価格の高騰、賃金の急速な伸びに伴う消費支出の増加が大きい。中銀は今後について、ウクライナ危機に伴う経済的影響により数四半期は著しく高水準で推移するものの、同影響のショックが「今後数年間で」薄れるに従い低下していくとする従来の見解を繰り返した。
中銀は声明で、長期にわたるコモディティ価格の高騰やサプライチェーンの混乱、国際物流コストの増加がインフレの主要因だと指摘。国内と世界の経済見通しは「ロシアの軍事侵略」に起因する著しい不確実性にさらされていると強調した。そのうえで、戦争が国内経済に与える影響などを踏まえ、インフレリスクを下げて物価の安定性を確保するため、為替市場への介入など利用可能な手段を取ると明言した。