●電池フィルムは衣服などの取り外しが可能
●太陽電池は有機プラスチック製で、「自然に帰せる」作りに
トルコの科学者チームが、生分解性ウェラブル太陽電池の開発に取り組んでいる。電池技術的には実現の目途がついており、後は使いやすく仕上げる段階だ。チームをまとめるユルドゥズ工科大学のセラプ・ギュネシュ教授は、「ウェラブルの問題は、太陽電池フィルムを、利用者が管理できる形でどう衣服に取り付けるかにあった」と指摘し、問題解決のためフィルムを衣服に着脱できるようにしたという。これにより、洗濯時に電池を外すことも可能になった。レインコートや傘に組み込んで商品化することを考えているという。
次の課題は、有機プラスチックで生分解性の太陽電池を作ることだ。同教授によると、材料を含めて「自然に帰せる」ソーラーセルを実験室で作るのは比較的容易で、これまでにLEDランプを照らすことに成功した。ただ、スマートフォンの充電には今後のパワーアップが必要だという。
ギュネシュ教授は「町から離れた場所で太陽光発電を利用するのならウェラブルのほうがずっと簡単」という発想に立ち、ソーラーパネルと競合するつもりはない。トルコのエネルギー安全保障に太陽光発電が貢献するとみて、ウェラブルを研究しているという。また、間に合ううちに環境破壊を食い止めたいという望みも開発の動機になっている。