●コベントリーの工場計画の投資規模は4,120ポンド
●駆動モジュール「REEコーナー」を年に最大4万基生産する予定
電動車の開発を手がけるイスラエル新興企業REEオートモーティブが英コベントリーに工場を設置する。投資規模は4,120ポンド(1,500万米ドル)で、英国従業員数は現行の2倍の約300人に拡大する見通しだ。新工場はREEの量産化に向けた第一歩となる。
REEは2013年の創業で、モーターや駆動系部品を一体化させた独自技術「REEコーナー」を生み出した。モジュール単位の同技術は自動車のプラットフォームの四隅に配置するだけでよく、さまざまなサイズの車に応用できる。種類ごとに製造設備を用意する必要がないため、投資額を抑えられるという。すでに日野自動車や墺マグナ・シュタイヤー、米JBポインデクスタ―がREEコーナーを用いた配達用車両などの開発に取り組んでいる。
コベントリー工場への投資額は1,500万米ドルだ。製造工程をほぼ全面的に自動化するため、工場従業員は少数にとどまる。ただ、工場稼働にともなう事業拡大で英国での雇用数は現行の150人から約300人へ増える見通しとなっている。
新工場では「REEコーナー」を年間で最大4万基(自動車1万台分)生産する。バッテリー、ブレーキなど部品はすべて既存のサプライヤーから調達する。
REEは、「欧州連合(EU)離脱を機に自動車メーカーが英国から撤退したことで、専門知識のある人材が集まりやすくなっている」とし、同国での事業環境が自社にとっては好転したとの見方を示した。コベントリー近郊で運営するエンジニアリングセンターをグループの研究開発拠点と位置付けている。昨年8月には、英国政府から4,120万ポンドの開発助成を受けた。