プラハ工科大、2つ目の研究用原子炉導入を計画

●導入予定の「VR-2」は様々な燃料を組み合わせることが可能

●チェコで稼働する10の原子炉のうち、4つが研究炉

チェコのプラハ工科大学が2つ目となる研究用原子炉の導入を計画している。「VR-2」と呼ばれる研究炉が設置されるのはプラハ市内のトロヤ地区で、すでに導入済みの「VR-1」と合わせ学生の実習で使用する予定だ。「VR-2」では天然ウランと最大10%まで濃縮したウランなど様々な燃料を組み合わせることができる。

「VR-2」の導入に向けた作業は2014年に始まった。同大学初の原子炉「VR-1」は1990年に稼働を開始している。同大はその他に、ドーナツ型の真空容器を持つトカマク型の核融合炉「ゴレム」も持つ。

原子炉を使った実験では、学生はタイベック不織布を使った防護服と防護手袋を着用し格納容器の制御を行う。汗などが付着すると腐食につながりかねないためだ。作業中は線量計で放射能が計測され、一定の数値に達すると学生は原子炉から離れるよう求められる。

燃料は圧力容器内などに密閉されている。圧力容器外で保管する際には腐食を避けるため乾燥した状態に置かれる。貯蔵用の水から取り出す際には風を当て乾燥を促し、その後容器内に密閉する。放射性物質を扱っているため注意が必要だ。

炉内では水が安全確保の鍵だ。水は核反応の熱を水蒸気に変えタービンを回すのに利用されるが放射能を帯びるため、数値を計測し一定の数値を下回るまで浄化した後、再び系統に戻される。

新しい炉は年末に稼働を開始する予定。同国では10の原子炉が稼働しており、そのうち4つが研究炉となっている。

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