●「リザルト」の配合で作付面積当たりの収穫量が最大50%増
●北米全体に出荷地域を広げた後、欧州市場に参入する方針
ウクライナ戦争で食糧不足が深刻化するなか、イスラエル企業ラヴィバイオ(Lavie Bio)が新しい農業用接種剤「リザルト」を発売した。2菌種を組み合わせた接種剤で、生物学のノウハウと、ビッグデータの高度な活用、人工知能(AI)を組み合わせて開発した。作付面積当たりの収穫量が最大50%増加するという。
リザルトは種子処理剤に配合される。植物が土壌の栄養素を吸収する効率を高めるとともに、自然の抵抗力を強める働きがあるという。結果として成長が加速し、根張りが良くなり、植物の健康度が増す。ラヴィバイオによると、小麦の収穫高は通常、1エーカー(約0.4ヘクタール)あたり3~4ブッシェル(約81~109キロ)だが、これを最大50%増やすことができる。今農業年度に米国で発売したところ好評で、すでに完売した。今後はまず北米全体に出荷地域を広げ、それから欧州市場に参入する方針だ。他の穀物やオイルシード向けにも開発を進めている。
ラヴィバイオは、植物バイオ技術にコンピューター技術を取り入れるイスラエルのエヴォジーンの子会社だ。生物学研究に応用できる演算法を開発・応用する「コンピューター・バイオロジー」が「これからの分野」となると見込んでいる。革新技術と農業が提携することの重要性を強調している。