●バルト3国と欧州大陸の系統同期化を24年に前倒しすべきと訴え
●エネルギーの対ロシア依存脱却をEUの戦略目標に
リトアニアのギタナス・ナウセーダ大統領は13日、欧州連合(EU)がロシアへのエネルギー依存からの脱却を戦略的目標に据えるべきという見方を示した。そのうえで、バルト3国と欧州大陸の電力系統を同期化する時期を1年早めて2024年に前倒しすべきと訴えた。これにより、バルト3国及びEU全体のエネルギー安全保障が強化されるという立場だ。
ナウセーダ大統領は、リトアニアを訪れたカドリ・シムソン・エネルギー担当欧州委員と会談し、「ロシアがエネルギーを政治の具に使えないようにしなければならない」という考えを強調。その実現には電力系統の連系が重要とし、前倒しでの実施に向けてEUによる政治・技術・財政支援がカギとなると話した。
また、対ロシア依存からの脱却には◇インフラ不足の解消◇ガス備蓄の確保◇再生可能エネルギーへの継続的投資――が肝要とし、各国が再可エネの割合を増やし、ガス依存を最小化することが価格安定と安全保障強化につながるという見方を示した。