チェコ中銀、政策金利を7%に据え置き

●6月のインフレ率は前月から1.2ポイント増の17.2%に拡大

●据え置きは物価高騰の抑制と景気の腰折れ回避が狙い

チェコ中央銀行(CNB)は4日、主要政策金利である14日物レポ金利を7%に据え置くことを決めた。据え置きは市場の予想通り。中銀は前回まで9会合連続で利上げを実施していた。インフレが高進する中、景気の腰折れを避けるため追加利上げを見送った。ロンバート金利(上限金利)と公定歩合(下限金利)もそれぞれ8%、6%に据え置いた。

同国の6月のインフレ率は前月から1.2ポイント増の17.2%に拡大し、12カ月連続で目標水準(1~3%)の上限を上回った。これは1993年11月(17.9%)以来の高い水準。燃料価格の高騰と、通貨コルナ安を受けた輸入品価格の上昇、記録的な失業率の低さなどが大きい。CNBは今後について、秋ごろに20%まで上昇するものの、来年下半期には目標値の2%近くまで下がるとみる。今年のインフレ率予測は16.5%で、前回の13.1%から引き上げた。

CNBは現在のインフレの状況について、商品価格の高騰と賃金の上昇、財政政策の緩和が招く上振れリスクと、世界的な景気後退の懸念や国内消費の強い落ち込みがもたらす下振れリスクという2つの方向があると指摘。相反するリスクと不確実性の高さを考慮して金利据え置きを決めたとしたうえで、次回の会合では据え置きか利上げかを決定するとした。

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