●AI駆動型のアルゴリズムの導入企業は世界全体で35%に上る
●グーグルも投資するZowieは6,200万ズロチを調達
ポーランドで人工知能(AI)技術を活用した製品開発に参入する企業が増えている。スタートアップ企業を中心に、ネット通販会社の顧客対応や在庫確認をAIで自動化するソフトウエアやシステムを開発しており、大規模な資金調達に成功する企業も現れている。
米IBMがこのほど発表した調査報告によると、AI駆動型のアルゴリズムを導入する企業は世界全体で35%に上る。今日ではすべての産業でAIの導入が進んでおり、イノベーティブな新興企業が技術開発を担っている。米CBインサイトによると、同分野のスタートアップは2013年から18年にかけて世界全体で計20億ドル近くを調達した。
こうしたAI開発企業には多くのポーランド企業が含まれる。最近6,200万ズロチ(1,300万ユーロ)を調達したZowieはネット通販企業の顧客からの問い合わせへの対応を70%自動化したり、商品への顧客の誘導を容易にする製品を開発している。同社への投資企業にはIT大手のグーグルも含まれる。
ポーランドの政府系ファンドであるNCBRインベストメントファンドは、AIを利用し顧客サービスの自動化を行う製品を開発するTalkie.aiに投資を行う予定だ。同社は調達した資金で健康医療分野の技術開発を行い、売上の20%を占める米国での事業をさらに拡大する方針を掲げる。
同じくAI技術を利用した製品を開発するシメトリアUXはセルフレジの支払いを音声ガイドで行うことを可能にするソフトを開発した。同社のシステムはレジの上に置かれた商品を認識し、顧客の支払いをスムーズにすることができるものだ。
もう一つのポーランド企業、eLeaderが開発したのは店舗在庫の管理ソフトで、AIが商品棚の写真に基づきリアルタイムで在庫の有無を把握することを可能にしている。460の製品を認識することのできるeLeaderは月間12万に上る画像の処理が可能だ。データの処理スピードは速く、写真の分析に要する時間はわずか数分に過ぎないのが特長。同社のシステムはすでに乳製品大手ダノンの国内販売拠点170ヵ所で利用されている。(1PLN=29.27JPY)