ポーランドで、天然ガス高騰の影響が意外なところに出ている。化学企業がコスト高を理由に減産に踏み切ったことで、その副産物を必要とするビール・清涼飲料メーカーやチーズ製造業者も減産の判断に迫られているのだ。デンマークのカールスバーグは、最悪の場合、「ビール生産を停止しなければならなくなる」と警鐘を鳴らした。
ポーランド国営の化学大手、アゾティとアンヴィルは先ごろ、天然ガス高騰を理由に、製品のいくつかについて生産を停止すると発表した。これに驚いたのが、飲料・チーズメーカーだ。ビールや清涼飲料の炭酸は、これらの製品の副産物として得られるためだ。チーズ運搬中の保冷剤として用いられるドライアイスも、二酸化炭素(CO2)がなければできない。
食品業界で生産ラインの消毒に使われる硝酸についても現在、同様の理由でアゾティが安定供給を確保できない状況で、生産そのものが不可能になる危険もある。
マテウシュ・モラヴィエツキ首相は業界の要請に対し、エネルギー多消費型産業の救済策を政府が検討している事実を発表している。