●2024年から年間400基のタービンを生産
●政府は建築規制を緩和して風力発電事業全体を後押し
デンマークの風力発電機大手ベスタスはこのほど、ポーランドに風力タービンの工場を設置する計画を明らかにした。建設地は同国初の洋上風力発電施設の建設予定地に近い西部のシュチェチン近郊で、タービン「V236-15.0MW」を年間400基生産する。新工場の操業は2024年からとなる見通し。最大で700人を雇用する。
ポーランド西部のバルト海沿岸では国営石油大手PKNオルレンとカナダのノースランドパワーが「バルチック・パワープロジェクト」と呼ばれる洋上風力発電施設の設置事業を実施している。ベスタスは同プロジェクトから1基当たり15メガワットの発電容量を持つ風力タービンを76基受注している。
PKNオルレンとシュチェチン・シフィノウイシチェ港湾事務所は今月初め、同プロジェクトのための海上風力発電設備の積み出しターミナルに関する事業の実施で合意していた。
同国の電力の70%は石炭を中心とする化石燃料に依存しているが、再生可能エネルギーのシェアは年々増えている。昨年の発電量に占める再エネの割合は17%と、10年前の7%から大きく増加した。政府は海上風力発電の他、陸上風力発電に関する建築規制を今年7月に緩和しており、風力発電事業全体を後押ししている。
今年2月には政府関係者が海上風力発電用タワーの生産工場をスペイン系企業が開設することを明らかにしていた。
ポーランドは風力以外にも同国初となる原子力発電所の建設計画を推進している。