米ホルテック、チェコでSMR建設を推進

●シュコダや現代グループと協力して推進

●テメリン原発では早ければ32年にSMRを導入する計画

米エネルギー技術会社のホルテック・インターナショナルはこのほど、自社小型モジュール原子炉(SMR)「SMR-160」の建設プロジェクトをチェコで推進するため、現地の発電施設EPC(設計・調達・建設)事業者であるシュコダ・プラハおよび韓国現代・エンジニアリング&コンストラクション(HDEC)と協力合意の覚書を交わした。三者は今後調達、建設、試験運転の分担責任を取り決めるとともに、運転コストの試算などを行う。

ホルテックの「SMR-160」は低濃度ウラン燃料を使用する加圧水型の小型モジュール式軽水炉で、出力が160メガワットエレクトリック(MWe)。鉱工業や水素製造用の加工熱を需要に応じて柔軟に生産することができ、地域暖房としての熱供給にも適している。

チェコでは国営電力CEZがSMRの導入を検討している。同国は2030年代後半に石炭火力発電所を閉鎖する予定で、その後の電力供給を安定的に確保するのが目的だ。テメリン原子力発電所では早ければ32年にSMRを導入する計画。ホルテックとは19年から協力関係にあり、今年9月に「SMR-160」の導入について覚書を交わした。

ホルテックは昨年、「SMR-160」による原発の標準設計の策定と国際的な建設プロジェクトの推進のため、韓国で豊富な原発建設実績があるHDECと提携合意を交わした。シュコダ・プラハは国内テメリン、ドゥコバニおよびスロバキアのボフニチェの3つの現地原発プロジェクトの実績を持つ。

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