●両国当局はブロックチェーン技術の活用に前向き
●中銀デジタル通貨(CBDC)の実用化も視野に入れる
ハンガリー・フィンテック連合とタイ・フィンテック協会(TFA)は10月25日、ブロックチェーン技術(DLT)の利用の可能性を共同で探ることで基本合意を結んだ。互いに経験や成功例を共有し、両国企業の提携を実現させたい意向だ。
TFAのチョンラデット・キマラタナ会長は、タイが暗号資産の利用が進んでいる国の一つであると指摘し、国際提携がタイの暗号資産産業の改良につながると期待感を示した。
タイとハンガリーの当局は、暗号資産の利用に伴うリスクに対する警戒感を強める一方で、DLTの活用には前向きだ。タイ中央銀行は、年内に中銀デジタル通貨(CBDC)による決済のテスト運用の実施を予定する。ハンガリーのマトルチ中銀総裁は昨年の時点で「CBDCがデジタル通貨を決済手段とするための次のステップとなるかもしれない」と発言し、欧州連合(EU)にユーロ圏での採用に向けた準備を進めるよう求めた。
フィンテック提携の合意文書は、タイで開催された第1回タイ・ハンガリー・フィンテックフォーラムで調印された。同フォーラムでは、農産物市場「デジタル・ファーマーズ・マーケット」、ITセキュリティ技術の「ホワイトハット」、モバイルバンキングアプリの「ffネクスト(旧ファミリーファイナンシーズ)」、サイバーセキュリティサービスの「ウカテミ(Ukatemi)・テクノロジーズ」、コンサルティングの「インノヴィテック」、プリペイド電子マネーの「ピーク」、食品トレーサビリティの「TEフード」、情報セキュリティの「キュルト」といったハンガリー企業が紹介された。