●深刻な運転手不足を背景に導入を急ぐ
●同国のスマート運輸分野のスタートアップは600社を超える
イスラエル政府が自動運転バスの実用化を急いでいる。今月上旬には車両試験を実施する国内バス運営会社4社が選ばれ、機能や実用性・事業性などを確認することとなった。すべて順調に進めば、数年以内に無人バスが実現すると期待されている。
バス4社は、まず試験エリアで車両を無乗客で走らせ、定められた項目に沿って評価を実施する。要件が満たせれば、公道で2年間、試験運行する。大きな問題がなければ、数年後にはドライバーを省いた完全自動運転バスが普通のバスに交じって走行することになる。
政府が導入を急いでいる背景には、深刻な運転手不足がある。完全自動化により公共交通の安全性・サービス向上のほか、渋滞緩和も見込まれる。導入費用6,100万シェケル(約25億円)の半分は、政府機関やアヤロン高速道路運営会社が拠出する。
イスラエルはスマート運輸分野のスタートアップが2016年から20年までの間に50%増え、600社を超えた。なかでも自動運転関連企業は年率平均26%の増加を示したという。