日本のサハリン1権益、ロシア政府から承認

●SODECOの出資分30%の保持が認められる

●日本のロシアからの原油輸入は6月以来停止している

サハリン石油ガス開発(SODECO)が権益を持つ極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン1」について、ロシア政府は新たに設立した運営会社に対する同社の出資申請を承認した。国営タス通信などが14日に伝えた。SODECOは4日に新会社への出資継続を決定し、同国政府に対し申請を行っていた。

サハリン1を巡ってはプーチン大統領が10月7日、国営石油大手ロスネフチ子会社のサハリンモルネフテガス・シェルフ(Sakhalinmorneftegaz shelf)が管理する新会社にサハリン1のすべての権益を移すとともに、保有するすべての資産の無償譲渡を命じる大統領令に署名した。ロシア国外の株主は政府に対し1カ月以内に出資分に応じた権益の保持を申請し、承認を受けなければならないとされた。

日本政府はサハリン1について、原油輸入の9割以上を中東に依存する日本にとりエネルギー調達の多角化の点で重要なプロジェクトだとしており、当初から権益保持を目指す方針を打ち出していた。松野博和官房長官は11月15日、ロシア政府の決定は「我が国の中長期的なエネルギー安定供給の観点から非常に意義がある」と述べた。一方、ロシアからの原油輸入は6月以来停止している。

サハリン1にはプロジェクトを主導する米石油大手エクソンモービルが30%、SODECOが30%、ロスネフチが20%、インド石油天然ガス公社の子会社のONGCヴィデシュが20%を出資する。ロシア政府は今回ONGCに対しても新会社への出資申請を承認した。

エクソンモービルは3月はじめに同プロジェクトからの撤退を発表したが、8月に入りプーチン大統領は重要事業からの外資系企業の撤退を12月末まで禁止する大統領令を公布している。

上部へスクロール