●患者のエクスペリエンス向上に貢献する新技術を可視化したもの
●ユーザーは仮想的に様々な医療機器の情報を得られる
米マイクロソフトとチェコのオロモウツ大学病院が提携し、デジタルホスピタルを構築した。どのような新技術が患者のエクスペリエンス向上に貢献できるかを可視化したものだ。ユーザーは仮想ガイドツアーに参加する形で、診断・治療・介護などに使われる特定の機器をクリックして選び、その情報を得ることができる。
オロモウツ大学病院のアントニン・フラヴィンカIT副部長は、「デジタルホスピタル・プロジェクト」の利点として、「新しい技術を活用することで医療現場の障害をどう乗り越え、型通りの手順をどう変えていけるかが示せる」と話す。
デジタルホスピタルで紹介されている技術のなかには、人工知能(AI)を活用した眼底検査技術「アイリーン」や、遠隔会議システムなど実用化済みのものもある。デジタル技術の活用で、医師が事前に手術の手順を頭に入れたり、看護師や検査技師が研修・訓練を受けたりできるほか、医療従事者間の連絡改善、病院経営管理のペーパーレス化、病床監視の遠隔化なども可能だ。
マイクロソフト現地子会社のレンカ・アクスレロヴァー公共事業担当部長は「管理業務における医療従事者の負担を減らし、仕事の自動化を進めることが必要」と話す。デジタルホスピタルの目的は「すでに実現可能なソリューションを一カ所に集めて見られるようにする」ことにあり、各医療機関がそれぞれ可能な範囲でニーズに合わせて何を導入するか決めるのに役立つとみている。