独メルセデスベンツ、ポーランドでBEVバンを生産

●「VAN EA」ベースの車両を生産、同社初のBEVバン専門工場に

●米リヴァイアンとのBEV大型バンの合弁工場計画は白紙化

自動車大手の独メルセデスベンツは12日、ポーランド南西部ヤボルの拠点に完全電気自動車(BEV)のバン工場を設置することで現地政府などと基本合意したと発表した。競争力維持のため大型バンの欧州生産ネットワークを再編する計画の一環。メルセデスの「VAN EA(バン・エレクトリック・アーキテクチャー)」プラットフォームをベースに車両を生産する。同社初のBEVバン専門工場となる。

メルセデスベンツはヤボルで2019年から乗用車エンジンを、21年から車載バッテリーを生産してきた。新工場への投資額は明らかにされていないが、一部報道では10億ユーロ以上とされている。最終的に投資を行うかどうかは補助金などを踏まえて決定する。

同社は今年9月、米スタートアップ企業リヴィアンと共同で中東欧にBEV大型バンの合弁工場を設置する計画を発表した。これについては、リヴァイアン側が「事業の優先順序を入れ替えた」ため白紙化されたとしている。

メルセデスベンツの再編計画ではこのほか、独デュッセルドルフ、西ビトリアの各工場でもVAN EAを導入してBEVバンを生産する予定。独ルートヴィヒスフェルデ工場では2024年春から「スプリンター」の電動モデル「eスプリンター」の生産を開始するほか、カスタムBEVバンのコンピテンスセンターを設置する。VAN EAを採用したモデルは25年からの発売が予定されている。

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