●好調なインドやベトナムでの事業に集中する狙い
●中国事業は苦戦、同じく苦しいVWブランドに市場を明け渡す
独フォルクスワーゲン(VW)のチェコ子会社であるシュコダ自動車が中国からの撤退を検討している。現地市場の競争激化を受けたもので、中国で苦戦するVWブランドに市場を明け渡し、代わりにインドやベトナムといった新興市場に資源を集中する戦略を描いているもようだ。
シュコダ自のクラウス・ツェルマー社長が独業界誌『アウトモビールヴォッヘ』に明かしたところによると、中国で現地生産を中止し、輸入販売のみを扱うことも選択肢の一つという。現地の合弁提携先と検討し、来年中に結論を出す予定だ。
シュコダ自の中国における昨年のシェアはわずか0.6%。販売台数は31%減の3万6,300台と、減少幅が販売総数(22%)よりも大きかった。
また、同社はグループのロシア事業を担当していたこともあり、今年はこれに関連して数億ユーロの特別損失の計上を迫られている。これらのことが、経営資源の配分見直しにつながっているもようだ。
シュコダ自はグループのインド事業の責任も負っているが、中国から撤退すれば、好調な同事業に、より集中することができる。10月にはベトナムで来年からコンプリート・ノックダウン(CKD)生産を開始する方針も明らかにしている。