●国内のインフラ整備を含む水素ソリューションの展開で協力
●アルストム「コラディア・アイリント」は世界初の燃料電池列車
仏鉄道車両大手アルストムは5日、チェコにおける水素燃料電池列車の導入に向け、米工業ガス大手エアープロダクツと覚書(MoU)を交わしたと発表した。温室効果ガスの削減に向けた欧州連合(EU)の政策パッケージ「Fit for 55」に沿ったもので、国内のインフラ整備を含む水素ソリューションの展開で協力する。
アルストムは2018年、世界初の燃料電池列車「コラディア・アイリント」(Coradia iLint)を開発。同年中にドイツで旅客輸送を開始したほか、フランスとイタリアでも同列車が導入されている。同社でチェコとスロバキア事業を統括するダン・クルーチュ氏は、「両社はチェコの鉄道輸送への水素燃料活用に向け全力を尽くす」と述べた。
エアープロダクツは水素生産の世界最大手。チェコでは工業用ガスのほか水素の製造と充填ステーションを含む高度なソリューションを展開している。今年5月にチェコとスロバキアで行われた「コラディア・アイリント」のデモ走行では同社の移動式補給ステーションから水素を補給した。