●7%の高金利を維持し、効果を見定める狙い
●上半期の利上げはないとの予想は「当たらないかもしれない」
チェコ中央銀行(CNB)は12月21日、主要政策金利である14日物レポ金利を7%に据え置くことを決めた。据え置きは4会合連続。インフレの高進に歯止めがかかりつつある中、高金利を維持して効果を見定める狙いがある。ロンバート金利(上限金利)と公定歩合(下限金利)もそれぞれ8%、6%に据え置いた。
同国のインフレ率は9月の18%から10月に15.1%まで下がったものの、11月には16.2%に上昇した。ガスと電気料金の値上がりが要因だが、CNBは今後について、来年1月ごろに20%近くに達するのをピークに春から下がり始め、2024年の夏ごろには2%台まで下がるとみる。
現在のインフレの状況に関しては、上振れリスクとして予想以上の賃金上昇と財政政策の緩和が、下振れリスクとして世界的な景気後退や国内需要と投資の強い落ち込みがあると指摘。相反するリスクの両方向に進んでおり、世界情勢の見通しも不確実性が高いことから金利据え置きを決めたと説明した。
CNBは声明で、同国経済は外部環境からの強いインフレ圧力と、国内の需要圧力の両方に直面していると述べ、これらの圧力を弱めるために金利を高い水準で維持する方針を繰り返した。同時に「コルナの過度の変動を防ぎ続ける」とし、これまで同様に市場介入を行う姿勢を改めて示した。
次回の会合では据え置きか利上げかを決定するとしたうえで、市場が来年上半期の利上げはないとみていることに対し「予想は当たらないかもしれない」と言及。需要が供給を上回ることで生じるディマンドプル・インフレーションのリスクが高まる場合には利上げに踏み切る可能性を示した。