サムスンSDI、ハンガリーにバッテリーセル工場設置か

●BMWの「ニュークラス」EVモデル用に円筒型セルを供給する狙い

●第4のサプライヤーとして同社が浮上したことに関係者は驚き

韓国サムスンSDIがハンガリーにおけるバッテリーセル工場新設を検討しているもようだ。韓国メディアによると、新プラットフォーム「ニュークラス」を用いた独BMWの電動車(EV)モデル用に、円筒型セルを供給する狙い。ブダペストの北、ゲドにある2工場の近隣に設置する方向という。

BMWはハンガリー東部のデブレツェンで工場を建設中。2025年から同地で「ニュークラス」EVの生産とバッテリーの組み立てを行う計画だ。すでに寧徳時代新能源科技(CATL)、恵州億緯鋰能(EVEエナジー)、エンビジョンAESCをバッテリーセルの調達先に選んでいる。昨年9月には「ニュークラス」用の円筒形バッテリーを「3社の6工場から購入する」と公式発表していたため、業界関係者は今回、第4のメーカーとしてサムスンSDIが浮上したことに驚いている。

BMWはセルを現地調達する方針で、米国ではエンビジョンAESCのサウスカロライナ工場、中国ではCATLの国内工場の供給を受ける見通しだ。CATLは欧州でもデブレツェンに生産能力100ギガワット時(GWh)の工場を新設する計画を明らかにしており、製品の一部がBMW向けであることは大いに考えられる。EVEエナジーは昨年3月、円筒型セル工場の建設に向けてデブレツェン当局と45ヘクタールの用地購入で趣意書を交わしているが、その後の動きは報じられていない。

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