ハンガリー中銀が13%で金利据え置き、4会合連続

●インフレ率は12カ月連続で上昇、12月24.5%に

●高金利水準を維持してインフレ目標の達成を目指す

ハンガリー中央銀行は1月24日、政策金利を13%に据え置くことを決めた。据え置きは4会合連続。景気の減速が見込まれる中、現行の高金利水準を維持してインフレ目標の達成を目指す。

政策金利の下限となる翌日物貸出金利は12.5%に、上限となる翌日物、7日物有担保付貸出金利は25%に、それぞれ据え置いた。

同国の12月のインフレ率は前月から2ポイント増の24.5%に拡大した。燃料価格の高騰が大きい。インフレ率の上昇は12カ月連続で、ウクライナ戦争勃発後の3月(8.5%)からの上げ幅の合計は16ポイントに上る。中銀は今後について、エネルギーや食品の価格はウクライナ戦争以前の水準まで下落しており、国内の景気減速を受けた消費者需要の減退も価格圧力を緩和すると予想。インフレ率は今年前半から緩やかに下がり始め、年央からはさらに大幅に低下し、2024年に中銀の雇用範囲に戻るとみる。

今年の経済成長について中銀は、内需が所得の減少や企業コストの上昇、公共投資の遅れにより、外需は世界的な景気低迷によってそれぞれ後退し、失速する可能性を指摘する。中銀の昨年12月の予測では、国内総生産(GDP)は2022年に4.5~5%増となるのに対し、今年は0.5~1.5%の増加にとどまる。

中銀は新型コロナ流行を受けて高めた流動性の余剰分を引き締めるため、昨秋以降に預金準備率の引き上げや長期預金手段などの施策を導入。2月1日からは割引手形オークションの毎週の開催を決めている。同銀は声明で、金融市場の安定確保が物価を安定させるための鍵だと指摘。今後も金融環境を長期間引き締めることで、インフレ目標を持続可能な形で達成できるとしている。

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