●縮小は前年同月が高水準だったことによるベース効果が大きい
●同国中銀は金利を一桁台まで引き下げ
トルコ統計局(TUIK)が3日発表した1月の消費者物価指数(CPI)の上げ幅は前年同月比で57.68%となり、前月の64.27%から一段と縮小した。比較対象となる前年同月のインフレ率が48.7%と高水準だったことによるベース効果が大きい。インフレ率の低下は3カ月連続で、昨年10月(85.51%)からの下げ幅の合計は27.83ポイントに達する。
上昇率を分野別にみると、構成比重の大きい「食品・非アルコール飲料」で前月の77.87%から71%に縮小したほか、「住居費・公益料金」で23.6ポイント減の56.2%に低下。「運輸(自動車燃料含む)」も6.8ポイント減の47.7%となり全体を押し下げた。
一方、「宿泊・外食」は前月の68.5%から75.1%に拡大。「医療」(10.2ポイント増の77.2%)、「教育」(4.4ポイント増の41.7%)も上げ幅が大きかった。
同国のエルドアン大統領は低金利で投資を呼び込むことを優先し、高インフレ下でも金利を引き下げるよう中央銀行に繰り返し求めてきた。中銀は昨年11月の会合まで4回連続で利下げを行い、政策金利を14%から9%まで引き下げると、その後は2回連続で据え置いている。