ルーマニア首相、SMR導入に改めて意欲

●隣国に先駆けてSMRを導入したい=チウカ首相

●国営原発企業はすでに米ニュースケールと提携で合意

ルーマニアのニコラエヨネル・チウカ首相は2月21日、米エンジニアリング大手フルア(Fluor)の代表と会談し、隣国に先駆けて小型モジュール炉(SMR)を導入したい意向を改めて確認した。

ルーマニア国有の原発運営事業者ニュークリア・エレクトリツァは2021年11月、フルアの子会社である米SMR開発企業ニュースケールと提携で合意。昨年5月には、ブカレストの北西およそ90キロに位置するドイチェシュティの旧火力発電所に設置することが決まった。フルアは設計・調達・建設(EPC)作業の取りまとめ役を務める。同プロジェクトについては昨年6月、米国政府が基本設計(FEED)費用として1,400万米ドルを拠出すると発表している。

チウカ首相はSMR導入が「国家の重要プロジェクト」であると強調。チェルナヴォダ原発における第3、4号機の完成プロジェクトと並び、ルーマニアのエネルギー安全保障を強化し、同時に、地域の電力供給国としての地位を確かなものとするのに貢献するという見方を示した。

フルアはニューヨーク証取上場会社で年商150億米ドル弱を誇る。子会社のニュースケールは、これまでに米原子力規制協会(NRC)が設計認定した唯一のSMR技術を持つ。ニュースケールには日揮やIHIといった日本企業も資本参加している。

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