スロベニアの後発薬大手レク、バイオシミラー開発に4億ドル

●4億ドルは同社にとり過去最大、同国経済にとっても最大規模

●レクはノバルティスのジェネリック子会社サンドの傘下企業

スロベニアのジェネリック(後発医薬品)大手レク(Lek)は9日、同国東部レンダヴァにバイオシミラー(バイオ後続品)のハイテク生産拠点を設置すると発表した。付加価値の高い医薬品のポートフォリオを拡充し、バイオシミラーの世界的な需要増に対応する。投資額の4億米ドルは同社にとり過去最大で、同国経済にとっても最大規模。高度な専門人材を含む300人を新規雇用し、2026年末に稼働を開始する。

レクは新拠点の役割について、入手しやすく手ごろな価格の高品質で安全な医薬品を開発製造することにより、欧州の製薬業界の競争力や革新性、持続可能性を高められるとしている。

レクはスイス製薬大手ノバルティスのジェネリック子会社サンドの傘下企業。レクの取締役会長兼サンドのスロベニア事業代表のロバート・リオルジョ氏は、「レンダヴァの新拠点は高分子医薬品製造の分野で大きな成功を収めると確信している」と述べた。

サンドのヒト成長ホルモン製剤のオムニトロープ(製品名ソマトロピン)は2006年、欧州医薬品庁(EMA)によりバイオシミラーとして初めて承認を受け、2008年からスロベニアで販売が開始された。現在、同国では免疫、腫瘍、内分泌の各治療分野で8つのバイオシミラーが使われている。

ノバルティスは2002年11月にレクを買収してスロベニアに進出した。同国中部メンゲスではレクを通じて国内初の遺伝子組み換え技術センターを運営している。投資残高は34億ユーロ以上に上る。

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