●台湾関連でのEUの行動回数は19年の23回から22年には167回へ急増
●リトアニア、スロバキア、チェコ、ポーランドが回数増に貢献
中欧アジア研究所(CEIAS)の最新リポートによると、中東欧諸国が台湾との関係緊密化で欧州連合(EU)の他の国をリードしている。台湾に関連してEUおよびEU加盟国が何らかの行動(政府、議会、サイバーセキュリティ、経済、人権、援助などの分野・テーマにおける交流、大臣訪問など)をとった回数は、2019年の23回から22年には167回へ急増した。そのうち、特に回数増に貢献したのはリトアニア、スロバキア、チェコ、ポーランドだった。
リポートの編者の一人であるマテイ・シマルチク氏によると、中東欧諸国が台湾との提携への関心を強めた主な理由は(1)中国に批判的な政治家が増えた(2)中国に抱いていた期待が外れた(3)新たな取引の可能性を見出した――の3点にある。(2)については、中東欧諸国は当初、自国への投資元として中国に大きく期待していた。しかし、予想のようには中国からの投資が伸びず、提携先として他の東アジア諸国にも目を向けるようになった。台湾もその中の一つだった。
中東欧諸国はまた、台湾を先進国と捉えており、台湾から投資が誘致できれば、それが呼び水になってハイテク・半導体などの先端産業の発展につながると期待している。