●チェコは来年初めから燃料棒の調達先を米仏産に切り替える
●ウランが除外されているEUの対ロ制裁に「抜け道は許さない」
チェコとスロバキアは3日、スロバキア北西部のトレンチーンで合同閣議を開催し、核燃料の対ロシア依存脱却を目指す立場で一致した。エネルギー安全保障を確保しながら欧州連合(EU)の気候中立目標を達成するために、原子力発電が大きな役割を果たすという認識に立ち、他の調達路を確立すべきという見方だ。
チェコとスロバキアは、電源構成に占める原子力の割合が高いが、チェコはすでに来年初めから、国内のドゥコヴァニ、テメリンの両原発で燃料棒の調達先をロシアのトゥべり(ロスアトムグループ)から米仏産に切り替える計画を明らかにしている。
両国はまた、欧州連合(EU)と北大西洋条約機構(NATO)が、ロシアの侵略に一致して対処することを求めた。現行の制裁規定を守り、いかなる抜け道も許さないことが肝要と訴えた。
EUは、フランスなど原子力への依存が高い国々の反対で、対ロシア制裁からウランを除外している。
なお、天然ガスの調達についてチェコのフィアラ首相は、ポーランドのグダニスク港LNG基地からチェコに至る輸送ルートを整備する計画を明らかにした。クロアチアのLNG基地を経由した調達については言及しなかった。