●敷設するパイプラインは全長250キロ、2029年に開通予定
●短期的な資金需要は8億6,000万ユーロに上る
ブルガリア国有送ガス会社ブルガルトランスガスが、水素輸送管の敷設を検討している。2032年までの10カ年インフラ整備計画案として発表されたもので、全長250キロメートルのパイプラインおよびコンプレッサーステーション2基を建設する内容だ。短期的な資金需要は8億6,000万ユーロに上り、29年に開通する。整備計画案は公聴手続きを経て、エネルギー・水道規制委員会(EWRC)に承認申請される。
今回のプロジェクトは、欧州エネルギーインフラ企業32社が参画して欧州内の水素輸送網を構築する「欧州水素バックボーン(EHB)」イニシアチブの一環だ。南東欧と中欧を結ぶ水素輸送幹線パイプライン(水素コリドー)の一部となる。ギリシャの同業DESFAが設置する導管と接続し、双方向輸送ができるようにする。水素を含む混合ガスだけでなく、100%水素にも対応する。
10カ年計画によると、ブルガルトランスガスはこのほかにも、27年までに既存のガス輸送インフラに4億3,800万ユーロを投資し、最大10%の水素混入を可能にする方針だ。