ファッション業界向けに食品廃棄物を用いたビーガンレザー※を開発提供する。主力製品のバイオベース素材「Smoby」はバクテリアナノセルロース(BNC)を用いており、類似の植物セルロースより10倍の強度がありながら、しなやかさを備えるのが特徴。革の風合いと魅力を持ちつつ環境性能も高く、業界の持続可能性に寄与すると期待される。
同社の技術は、お茶の一種「コンブチャ」(昆布茶とは別物。人体に有用な善玉菌「プロバイオティクス」が豊富とされる)の使用済み茶葉の表面に生成するBNCをベースに多機能素材を開発するもの。おおまかに、(1)食品廃棄物(茶葉)を微生物の原料としてリサイクル (2)微生物を増殖させる発酵プロセス (3)生成物の回収と着色、生分解性コーティングによる表面処理 (4)生分解を通じた製品寿命の終了――の4工程からなり、1~4を繰り返すことで環境に負荷をかけない循環型の製品サイクルを実現している。
同社は2020年の設立。スタッフ4人のうち3人が女性だ。
※ビーガンレザー:合成皮革の一種で植物性樹脂を原料とする。他の合成皮革と異なり石油樹脂を用いず、環境負荷が低い。本革製品に抵抗のある消費者にも受け入れられる。
Smobya
Budapest, Hungary