ロシアが対トルコ経済制裁を検討

ロシアのプーチン大統領は26日、トルコに対する経済制裁措置の策定を政府に命じた。トルコ空軍が24日にロシアの爆撃機をシリア国境付近で撃墜したことへの報復措置とみられる。メドベージェフ首相はこれに先立って、トルコ向け投資プロジェクトの凍結を示唆した。

制裁の検討項目は金融、貿易、観光、関税措置など幅広い分野に及ぶ。ロシアのラブロフ外相はすでに、「安全上の理由から」トルコへの渡航自粛を要請。旅行各社はトルコ行き航空券やツアー商品の販売を停止した。トルコを訪れるロシアの観光客は年間で約3,300万人に上る。

投資プロジェクトでは黒海海底のトルコ向けパイプライン敷設計画「トルコ・ストリーム」や、トルコ南部アクユの原発建設計画の凍結が考えられる。

ロシアはドイツに次ぐトルコの2番目に大きな貿易相手国で、昨年の貿易高は240億米ドルに上った。トルコの主な輸出品目は衣料品や食品。西側諸国からの食品禁輸を続けるロシアにとってトルコは重要な食品供給国となっており、制裁を発動した場合はロシア国内に影響が出る可能性がある。

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