ロシア政府は1日、トルコからの禁輸品リストを発表した。11月28日の大統領令に基づくもので、トルコ軍によるロシア爆撃機撃墜に対する制裁措置となる。青果を中心とする17品目を対象とし、来年初めに発効する。
具体的には、トマト、キュウリ、玉ネギ、カリフラワー、ブロッコリー、ブドウ、リンゴ、ナシ、モモ、プラム、アプリコット、ミカン、カーネーション(生花)、鶏肉、七面鳥、塩などが対象となる。一方、トルコからの輸入比率が高いレモンや魚は除外された。
このほかの制裁措置としては、チャーター便の運航停止やトルコ行きツアーの販売中止、ビザなし渡航撤廃に加え、ロシアでのトルコ人の就業制限やトルコ企業の業務制限などが実施される。
ロシアはウクライナ問題に関連し、昨年夏から欧州産食品の輸入を禁じており、トルコが重要な供給元となっていた。このため、今回の禁輸措置で食品価格のさらなる上昇が懸念される。
また、両国間の関係が急速に冷却化する中で、大型プロジェクトの実施にも暗雲が漂っている。ロシアがトルコとの政府間委員会の会合を延期したため、天然ガスパイプライン「トルコ・ストリーム」や、ロシア原子力公社(ロスアトム)によるトルコ初の原発建設などについての調整作業が一定期間、停止するのは間違いない。一方で、トルコへの天然ガス供給は現状のまま継続するという。トルコは需要の約半分をロシアに依存する。
トルコ・ストリームは昨年末、「サウス・ストリーム」の代替計画として発表されたが、価格交渉で折り合いがつかず、具体化がもたついている。10月にはガスプロムが輸送容量の半減を発表していた。