ハンガリー石油大手のMOLは11日、イラク北部クルド自治区のアクリ・ビジェール(Akri-Bijeel)鉱区における開発事業から撤退したと発表した。昨年9月の調査報告書で可採埋蔵量が従来の推定を下回ることが判明し、採算のめどが立たなくなったためだ。合弁先の英ガルフ・キーストーンも同日、開発中止を発表した。
9月の報告書によると、地層の複雑さなどから生産が技術的に難しいことが判明し、可採埋蔵量が400万バレルに下方修正された。これを受けてMOLはアクリ・ビジェールの開発中止を予告していた。一方で、シャイカン鉱区など他のイラク事業は継続する意向だ。
開発中止でMOLは減価償却を実施することになる。9月時点でアクリ・ビジェール投資の簿価は4億4,000万米ドルだった。