チェコのソボトカ首相は19日、議会上院で開催されたセミナー「新シルクロードとチェコ」で、チェコを欧州と中国を結ぶ交通・運輸の要衝(ハブ)として育てるべきとの立場を明確にした。中国との政治レベルでの良好な関係を経済にも活かし、両国の提携関係を構築・深化させることが肝要と強調した。
具体的にはまず、中国銀行が昨年、プラハ支店の営業を開始したことに触れ、中国の銀行に対し、改めて欧州拠点としてのチェコの魅力をアピールした。また、航空路では昨年のプラハ―北京便に続き、今年は上海便が就航すると話し、両国を結ぶ直行便の拡大に意欲を示した。
さらに、提携強化に向けてはチェコ語を話す中国人が多く必要になるとし、チェコの大学で学ぶ中国人学生の増加を望む姿勢を明確にした。この関連では、プラハ・カレル大学の中国研究センターに加え、北部のフラデツ・クラーロヴェーで漢方医学センターの設立が準備されていることを歓迎した。
人的交流では昨年、チェコを訪れた中国人観光客が過去最高の約30万人に上ったことにも触れた。
両国の経済関係強化については、馬克卿(Ma Kequing)在チェコ中国大使も、両国が提携拡大に向けた基本合意を結んだことを確認。中国が特に、自動車・航空宇宙産業、エンジニアリング、ナノテク産業に注目していることを明らかにした。
今回のセミナーは、中国が主導する「一帯一路」構想を基に、同国との提携の形・可能性を探ることがテーマとなった。