オーストリア最大手銀行のエルステと伊最大手行ウニクレディトがハンガリー住宅ローンの不良債権売却を検討している。抵当不動産の処分禁止が解かれたことで、この種の債権への投資機運が高まっているためだ。
ロイター通信が10日、複数の消息筋の情報として報じたところによると、不良債権の売却規模はそれぞれ2億5,000万〜3億ユーロに上る可能性がある。売却先としては、比較的規模の小さい英国のファンドや、この分野に特化した中欧の投資家、ハンガリー企業などが考えられるという。取引の時期は、検討が始まったばかりのため、早くても今年後半となる見通しだ。
ハンガリーでは金融危機をきっかけに、外貨建て住宅ローンを中心に不良債権が膨張した。エルステの不良債権率は昨年末に18.1%、ウニクレディトも2014年末時点で19〜20%に上っている。経済開発協力機構(OECD)は6日発表のハンガリー経済リポートで、不良債権が同国の金融システムの大きなリスクであると指摘している。