トルコ中銀、5カ月連続で利下げ

トルコ中央銀行は19日、翌日物貸出金利(上限金利)を0.25ポイント引き下げ8.75%に設定した。利下げは5カ月連続で、年初以来の利下げ幅は2ポイントに上る。主要政策金利である1週間物レポ金利は7.5%、翌日物借入金利(下限金利)は7.25%で据え置いた。

利下げは市場予想通り。中銀は以前から上限金利と下限金利の差(金利コリドー)を狭める方針をとっており、今回の措置でその差は1ポイントに減少した。

インフレ率について中銀は、「生鮮食料品とたばこの値上がりで短期的に上昇するが、価格変動の大きい食品と燃料を除いたコアインフレ率は穏やかに改善していく見通し」とコメントした。

利下げ後も株安や通貨安の傾向は続いている。期間5年の「クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)」はクーデター前の224.8ベーシスポイント(bp)から18日には271.7bpまで上昇。19日には270.0bpへとやや下がったが、20日には中欧夏時間(CEST)14時半ごろまでに289bp超と上昇が続いている。

ムーディーズ・インベスターズ・サービスは18日、クーデター未遂を受けてトルコの信用格付けを引き下げる方向で見直すと発表した。現在の評価は投資適格級で最低の「Baa3」で、格下げとなれば「投機的」水準に位置づけられることになり、トルコの借入コストが拡大するのは避けられない。

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