トルコ経済、2009年以来で初の後退

トルコ統計局(TUIK)が12日発表した2016年7-9月期(第3四半期)の国内総生産(GDP)は前年同期比で1.8%縮小し、2009年以来初めてのマイナス成長となった。経済をけん引してきた個人消費が7月のクーデター未遂事件を機に落ち込んだのが響いた。アナリストらは0.3〜0.5%減を予想していた。

個人消費は3.2%減少した。一方政府支出は23.8%増加し、投資の縮小(0.6%減)の影響を緩和した。天候不順で農業生産が7.7%減少したほか、工業生産は1.4%、サービス業も8.4%、それぞれ縮小した。

ユルドゥルム首相はすでに先週の時点で、財政悪化を防ぐため、来年の公的支出を必要最小限にとどめる方針を明確にしており、成長の足かせとなりそうだ。ただし、クーデター未遂事件後に解職した警察官や教師など6万人分の採用は予定通り実施するという。

弱含みが予想されるトルコ経済だが、アナリストによると、政府や銀行の財務は健全で、経済危機につながる可能性は低いもようだ。

なお、TUIKは今回からGDPの算出方法を変更したのに伴い、昨年通期の成長率を従来の4%から6.1%へ上方修正した。16年第1、第2四半期についても従来の4.7%、3.1%から4.5%へ修正した。従来の方法による第3四半期のデータは、第4四半期GDPと同時に公表する。ユルドゥルム首相はあらたな算出方法の採用が当期のマイナス成長幅を広げたと説明している。

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