トルコの10月失業率11.8%、過去6年で最悪に

トルコ統計局(TUIK)が16日発表した2016年10月の失業率は前年同月比1.3ポイント増の11.8%となり、2010年3月以来で最悪を記録した。前月比でも0.5ポイントの上昇。若年失業率(15〜24歳)は前年同月比1.9ポイント増の21.2%に達した。

治安悪化で主要産業の観光業が深刻な打撃を受け、景気が大きく減速している。2016年7-9月期の国内総生産(GDP)は1.8%縮小し、金融危機に揺れた09年以来のマイナスとなった。トルコ政府は13日、16年通期の経済成長率が3%に上ったとする見方を発表したが、欧州委員会は2.7%、仏信用保険大手のコファスは2.5%と推定しており、実際の値は政府の推定を下回る可能性がある。

米国利上げ観測に加え、経済不振でトルコ通貨リラ安も急速に進んでいる。12月のインフレ率は8.5%の高率で、これが通貨安の圧力を高めるという悪循環も懸念される。

エルドアン大統領は長年にわたる高成長で多くの国民の支持を得てきた。しかし、雇用維持に年5%成長が必要とされる中の経済低迷で、今後の見通しは不透明になっている。

今月中の可決が見込まれる大統領の権限強化に向けた憲法改正もあり、政治的にも経済的にもトルコの動向を中止する必要がある。

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