エネルギー複合企業の中国華信能源(CEFC、上海)が出資するチェコ航空会社、トラベルサービス(プラハ)は6日、大韓航空の持つチェコ航空(CSA、プラハ)株を買収すると発表した。政府保有株についても取得する方向だ。両方とも買収できれば、出資比率は97.7%に拡大する。
トラベルサービスはすでにCSA株34%を保有する。大韓航空の出資比率は44%、政府は19.7%で、全て取得できれば出資比率は97.7%へ上昇する。政府は基本的に取引に合意しているが、競争当局の許可が下りてから5日以内に契約から降りる権利があるという。なお、残る2.3%は国内保険大手チェスカー・ポイーシトヴナが保有する。
トラベルサービスは「スマートウィングス」のブランド名でチェコ、スロバキア、ハンガリーを拠点に格安航空便・チャーター便を運航する。設立者のイジー・シマーニェ氏とその提携パートナーが50.08%を、CEFCが49.92%を出資している。2009年にも国内複合企業のユニメックスと共同でCSA買収を試みたが、政府に交渉を打ち切られた経緯がある。
大韓航空は2013年にCSAに出資したが、さらなる34%を取得できるオプション権は行使しなかった。トラベルサービスは2015年にこの34%を買収してCSAへの資本参加を達成した。
CSAは2016年に黒字復帰し、2億4,100万コルナ(930万ユーロ)の利益を計上した。延べ乗客数は270万人だった。(1CZK=5.10JPY)