ロシア石油最大手の国営ロスネフチが14日発表した2017年7-9月期(第3四半期)決算の純利益は470億ルーブル(6億7,000万ユーロ)となり、前年同期の260億ルーブルから80.8%増加した。原油価格の上昇や増産が追い風となった。一方でフリーキャッシュフロー(純現金収支)は企業買収や経費拡大が負担となり、83%減の80億ルーブルに縮小した。
売上高は22.3%増の1兆4,960億ルーブル、営業利益(EBITDA)は27.1%増の1,780億ルーブル、税引き前利益は74%増の870億ルーブルだった。
ロスネフチは昨年10月以来、(1)国内同業バシネフチの買収(取引額:52億ドル)(2)インド・エッサールオイルの株式49%取得(130億ドル)(3)ベネズエラ国営同業PDVSAへの融資(60億ドル)(4)イラク・クルド人自治区からの石油調達に対する先払い(13億ドル)――などを実施し、世界市場における地位強化を図っている。
(4)との関連では、ロスネフチはクルド人自治区の採掘権取得・送ガス設備整備に30億ドルを投資する計画で、自治区独立の動きを警戒するイラク中央政府が懸念を強めている。(1RUB=1.90JPY)