自動車大手の仏プジョー・シトロエン(PSA)は27日、来年第1四半期からロシア・カルーガ工場で小型商用車2モデルを組立生産すると発表した。景気回復に伴う需要拡大に対応する。
新たに生産品目に加わるのは、プジョー「エキスパート」とシトロエン「ジャンピー」の商用バン2モデル。今後、シトロエン「スペースツアラー」やプジョー「トラベラー」などの追加も検討する。
ロシア事業を統括するPSAユーラシアによると、今年上半期の同社ロシア販売台数は20%伸びたが、小型商用車に限ると40%増加している。販売台数に占める小型商用車のシェアは7%と欧州の11%より小さく、伸びしろは十分とみている。モデルの幅を広げることで需要を取り込んでいきたい意向だ。
PSAはロシア・CIS諸国地域の販売台数を2021年までに15年実績の4倍に拡大する目標を掲げる。また、同地域で販売する製品の6割を現地生産する計画だ。カルーガ工場の「エキスパート」と「ジャンピー」では部品の50%を現地調達する。やはりカルーガ工場で生産するシトロエン「C4」とプジョー「408」ではこの比率が35%にとどまっている。
ロシアの自動車市場は2012年から16年までの4年間で半分以下に縮小、国内生産台数も43%減少した。今年は上半期の乗用車販売台数が前年同期比で12.4%伸び、市場回復を印象付けている。