三菱重工業傘下の英鉄鋼エンジニアリング大手プライメタルズ・テクノロジーズは7日、カザフスタンの鉄道レールメーカーARBZにレール・条鋼圧延機プラントを引き渡したと発表した。ARBZはこれにより、最長120メートルのレールの熱処理を加工ライン上でできるようになるほか、より耐久性のあるレールの生産が可能になる。
圧延設備にはプライメタルズ独自の熱処理・冷却技術「Idrha+」(レール表面硬化用二相インジェクターシステム)を導入した。これにより、従来は加工ラインとは分離して行っていたレールの熱処理が同一ライン上で可能になったほか、レールの疲労損傷と摩耗への耐性が向上した。
ARBZはカザフスタン国有鉄道の支援の下、同国初の鉄道レールメーカーとして北西部のアクトベに設立された。年産能力は120メートルのレールで約20万トン、山形鋼、溝形鋼、I型鋼で23万トン。製品はロシア・独立国家共同体(CIS)諸国共通の標準規格「GOST」の事前認証を受けており、鉄道設備への需要が急増する同地域などに供給する。同工場からはすでに、高速鉄道向けの高強度レール「P65 DT350」を出荷している。