ロシア中銀、国内9位行を救済

ロシア中央銀行は15日、資産総額ベースで同国9位の銀行、プロムスヴャズバンクを国営化すると発表した。同行の破たんによる金融業界の混乱を防ぐ狙い。自らの管理下に置いて、事業再編を目指す。今年新設した中銀の安定化基金から資金を注入するが、その規模は明らかになっていない。

中銀が銀行救済に乗り出すのは8月のオトクルィチエ(業界8位)、9月のビンバンク(同12位)に続いて今回が3回め。オトクルィチエの支援額は4,560億ルーブル(78億米ドル)に上り、ロシアの銀行救済史上で最高を記録した。比較的規模の小さいビンバンクの救済で中銀は「連鎖反応を防ぐため」と説明していたが、その甲斐なくプロムスヴャズバンクも経営が行き詰まった。

中銀の救済計画は、◇多数株・経営権の掌握◇安定化基金から運営資金を注入◇銀行業務は継続◇最終的に民営化――を柱とする。以前は公的預金保険機関が第3者に低利で資金を貸し出し、再建を委託する形をとっていたが、思うような効果が上がらなかったため、中銀が直接介入する方式に変更された。

プロムスヴャズバンクは1995年、IT事業で財を成したディミトリー、アレクセイのアナニエフ兄弟が設立した。中小企業金融で知られる。しかし、2015、16年の不況で不良債権が拡大し、米格付け大手ムーディーズは今年6月末の時点で不良債権比率を19%と推定していた。アナニエフ・グループの他の銀行との合併計画が10月に凍結されてからは顧客・投資家離れがさらに加速し、今回の国有化に至った。

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