トルコ統計局(TUIK)が10日発表した2018年4-6月期(第2四半期)の経済成長率は前年同期比で5.2%、前期比で0.9%にとどまり、減速傾向が明確となった。1-3月期(第1四半期)はそれぞれ7.3%、1.5%を記録していた。経済専門家らは7〜8月に通貨リラ安が一層進んだことを受け、今後成長率がさらに低下するとみている。
国内総生産(GDP)の3分の2近くを占める個人消費は6.3%増で、前期実績を3ポイント下回った。一方、政府消費はリラ安による輸出増で公共投資が拡大したことから、前期より2.3ポイント高い7.2%の増加を記録した。
設備投資は4ポイント減の3.9%増、製造業は3.8ポイント減の4.3%だった。サービスは銀行・保険業界がけん引して9.1ポイント増の12.1%を記録。輸出高は2.8ポイント増の4.5%に拡大したが、輸入高は0.3%増にとどまった。
野村インターナショナルのエコノミスト・デミル氏は、「下半期には減速のペースが増し、2四半期連続でマイナス成長になる」と悲観的だ。同氏は予測の正確さで知られる。
キャピタル・エコノミックスのアナリストは、「昨年の年央以降、トルコ経済は大きく成長したが、同時にマクロ経済の不均衡も拡大した」と指摘。貿易赤字が対GDP比6%へ膨らんだことがリラ下落の背景にあると分析している。リラは年初以来、対米ドルで40%以上、8月単月だけで20%下落した。
政府は18年通期の経済成長率が目標の5.5%を大きく下回る4%前後にとどまるとみる。ロイター通信のアナリスト予測はこれよりさらに低い3.3%となっている。