商船三井(MOL)は7日、ロシアの海事教育機関である「マカロフ提督記念国立海
事・内陸水運大学」(マカロフ海事大学)と、北極海航路輸送向けの船員訓練及び
訓練生の採用・育成で覚書を結んだ。特殊な北極海航路の航行に適した船員育成を
進め、拡大が見込まれる同航路輸送での地位強化を目指す。
MOLは北極海航路を通じた液化天然ガス(LNG)輸送事業「ヤマルLNGプロジェク
ト」で砕氷LNG船の運航を担っている。同LNG船の船員はマカロフ海事大学が運営す
るトレーニングセンター(マカロフトレーニングセンター)で氷海航行訓練や極寒
地サバイバル訓練などの特殊訓練を受ける。同センターは世界でも指折りの極海域
の訓練施設で、センターの氷海航行シミュレーターを利用した訓練は日本海事協会
の承認を受けている。
MOLはまたマカロフ海事大学の船員訓練生を採用しており、将来的にMOLの運行船の
船長・機関長に育成する方針だ。
■第1回北極海航路評議会に参加
MOLは6日、ロシア原子力公社(ロスアトム)の北極海航路局が開催した第1回北極
海航路評議会に参加し、同航路を通じた輸送の可能性や発展に向けた取り組みを
テーマに協議した。同会にはロシア国営の原子力砕氷船保有・運航会社アトムフ
ロート、国営船会社ソブコムフロート、ヤマルLNGプロジェクトの事業主体である
民間ガス大手ノバテクなどが参加した。