ロシアとインドは4日、液化天然ガス(LNG)をはじめとするエネルギー、および防
衛分野で数多くの協定を結んだ。インドのモディ首相がウラジオストクの東方経済
フォーラム(EEF)に出席するのを機に調印されたもので、ロシアにとってはアジ
ア諸国との関係深化を進める狙いがある。
エネルギー分野での提携についてプーチン大統領は、サハリン島沖の石油・天然ガ
ス資源開発プロジェクト「サハリン1」にインド石油・天然ガス公社(ONGC)が参
加していることを確認したうえで、インド企業に対し国営ロスネフチの極東LNG計
画や、ロシア2位のガス会社ノバテクが北極圏ギダン半島で進める液化天然ガス
(LNG)生産事業「アークティックLNG2」計画など、他の有望プロジェクトへも投
資するよう呼び掛けた。
一方、ノバテクはインドの天然ガス企業2社と基本合意書を交わした。不動産大手
ヒラナンダニ傘下のHエナジーとは、◇インド市場への長期的なLNG供給◇Hエナ
ジーのLNG基地新設・ノバテクのLNG計画での合弁◇インドおよび近隣諸国における
天然ガス販売で合弁——などで一致した。ペトロネットLNGとは、◇インド市場・
発電所へのLNG供給◇ペトロネットによるノバテク事業への将来的な参加◇インド
自動車燃料用天然ガス販売事業での提携——などで合意した。
防衛分野では、◇ロシア及び旧ソ連製の兵器交換部品の生産提携◇インドが145億
ドル相当のロシア製兵器調達——で協定が結ばれた。
第5回EEFは今月4日から6日にかけて開催された。モディ首相は主賓として招かれ、
同フォーラムに初めて出席した。