ルーマニア国営の原子力発電事業者ヌクレアル・エレクトリカ
(Nuclearelectrica)は7日、鉛冷却高速炉(LFR)の共同開発でイタリアとルーマ
ニアの3機関・企業から成る「ファルコン(FALCON)」連合と基本合意したと発表
した。ルーマニアに建設予定の試験炉の開発が目的となる。
ニュークリアエレクトリカは、重水の代わりに鉛を冷却材として使用する第4世代
原子炉の開発・実用化を目指している。今回の合意で、プロジェクト準備作業と研
究開発作業における提携の枠組みを規定した。ファルコン連合にはイタリアの国立
新技術・エネルギー・持続的経済発展機関(ENEA)およびアンサルド・ヌクレアー
レ、ルーマニアのピテシュツィ原子力研究所(ICN)が参加している。
ニュークリアエレクトリカのギタ社長は、「今回の提携が原子力技術の開発元とし
ての弊社の将来につながる」と期待感を示した。
ニュークリアエレクトリカはルーマニア唯一の原子力発電所を南東部のチェルナ
ヴォダで運営する。同発電所では出力700メガワットの原子炉2基が稼働しており、
さらに2基の新設が計画されている。
新炉建設に向けては今年5月、中国広核集団(CGN)および同社傘下の投資会社CGN
CEERIと、暫定的投資契約を交わしている。