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2019/10/22

東欧経済ニュース速報

独コメルツ銀のポーランド子会社売却、内外銀行が取得に関心

ポーランド銀行最大手で国営のPKO銀行が、独同業コメルツ銀行が売却を計画して いるポーランド子会社mバンクの取得に関心を示している。先日の総選挙で続投が 決まった与党・法と正義(PiS)が金融業界を外資優位から内資優位に転換させる 方針を掲げていることから、同じく国営のPZU、ペカオ銀行も買収を検討するとみ られる。業界筋によると、外国銀行も多くが食指を動かしているもようで、買収合 戦は熾烈なものとなりそうだ。 PKO銀のヤギエウォ頭取は21日、「mバンクの売却手続きが正式に始まれば、弊行も 取得を検討する」と話した。一方、「これは買収提案すると宣言するものではな い」とし、実際に提案するかどうかは「検討の結果次第」という立場を明らかにし た。 業界筋によると、墺エルステ、西サンタンデール、蘭ING、ポルトガル商業銀行 (BCP)、仏BNPパリバなど外国の大手もMバンクに関心を示している。 コメルツ銀は先月末、自社の持つmバンク株69%を手放すことを決定した。連結利 益の2割以上を稼ぎ出す優良子会社だが、グループ再編費用捻出のために売却はや むを得ないと判断した。 コメルツ銀は事業のデジタル化を進め、スマホでサービスにアクセスできる銀行へ の転身を目指している。mバンクの時価総額は38億ユーロ。コメルツ銀保有株は25 億ユーロ弱の価値があることになる。