欧州後発医薬品大手のゼンティバ(チェコ)は25日、米同業のアルボジェンから同
社の中東欧事業を買収する契約に調印したと発表した。当局の承認を経て来年1-3
月期(第1四半期)にも手続きが完了する見通しだ。取引金額は明らかにされてい
ない。
アルボジェンは中東欧で、様々な治療分野の後発医薬品および一般医薬品を200種
以上販売する。「ラクタシード」、「ペルセン」、「ユーバイオティック」など知
名度の高いブランドを展開し、ロシア、ルーマニア、ブルガリア、ハンガリー、
ポーランドなど欧州14カ国で大きな市場シェアを握る。
ゼンティバのハガー社長は「弊社は中東欧における地位を強化しつつ、新市場参
入・製品レンジの拡大を進める戦略を掲げており、今回の買収はこれを前進させる
もの」と話した。また、ゼンティバに籍を移すアルボジェンの従業員1,000人を歓
迎する立場を明確にし、「質の高い医薬品を手の届く価格で提供するという使命の
実現に力を合わせて取り組めば、弊社をさらに強くすることができる」と期待感を
示した。
一方、アルボジェンのヴェスマン社長は、「欧州事業を手放すことで、他地域の事
業を強化する。アジアでの企業買収や現地企業との提携、姉妹会社アルヴォテック
によるバイオ後続品開発を通じ、世界市場での成長を継続する」と話した。
ゼンティバは今年に入って英クリオ・ファーマとルーマニアのソラシアムを買収。
先月には仏サノフィの印アンクレシュワール工場の取得を発表するなど、精力的に
事業を拡大している。