アルセロール・ミタル、クラクフ拠点の操業を停止

鉄鋼世界最大手のアルセロール・ミタル(ルクセンブルク)が今月23日からポーラ
ンド南西部クラクフにある高炉および製鉄所の操業を停止する。世界需要の縮小を
受けたものだ。再稼働については「採算がとれる状況になれば」とし、具体的な見
通しを明らかにしていない。同社は世界鉄鋼市場が今年、3.1%縮小すると見込ん
でいる。
アルセロール・ミタルは今年5月に一旦、二酸化炭素(CO2)排出コストを理由にク
ラクフ拠点を9月に閉鎖すると発表した。その後、方針を変更し、同国にある高炉3
基の減産で需要低下に対応してきた。現地子会社のフェルベーク社長は「市場情勢
はまだ悪化しているが、各炉の生産レベルは最低で、技術的にこれ以上減産できな
い」と今回の措置を説明した。
アルセロール・ミタルのポーランド子会社はクラクフのほか、ドンブローヴァ・グ
ルニチャ、シフィエントフウォヴィツェ、ソスノビエツなど、南部に拠点を展開す
る。昨年の生産量は520万トンで、同国全体の半分以上を占めた。従業員数は1万1,
000人強。クラクフ拠点の従業員は希望すれば他の拠点で働けるという。

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