セルビア中央銀行(NBS)は11日、政策金利を0.25ポイント引き下げ、史上最低の
1.25%に設定した。利下げは2カ月ぶりで今年3回目。新型コロナウイルスの流行に
伴う経済の打撃が拡大していることから追加利下げに踏み切った。
1-3月期の国内総生産(GDP)は前年同期比で5%の増加にとどまり、上げ幅は前期
を1.2ポイント下回った。4-6月期にはマイナス成長が見込まれるが、その後は反動
から回復。2021年は6%のプラス成長が予想されている。
5月のインフレ率は前月を0.1ポイント上回る0.7%に上昇したものの、依然として
中銀目標(1.5〜4.5%)の下限値を下回っている。中銀は今後について、短期的に
は原油価格の下落と総需要の減少によりディスインフレ傾向が強まり、年末までは
目標値の下限寄りで推移するとみる。その後は金融政策や財政政策に支えられて需
要が回復し、中期的には目標値の中間レベルまで上昇すると予想している。
中銀は声明で、同国経済にとり最も重要なのはユーロ圏の回復であり、欧州中央銀
行(ECB)による一連の量的緩和政策や銀行への資金供給策が重要な意味を持つと
指摘。これらの措置と国内の金融・財政政策とを調整することで世界的なコロナ危
機の影響を緩和できるとの認識を示した。
中銀は3月、臨時理事会を開いて昨年11月以来4カ月ぶりの利下げを実施し、政策金
利を2.25%から1.75%に引き下げた。これまでの利下げ幅の合計は1ポイントに上
る。