ポーランドの石油最大手PKNオルレンは14日、国内の石油天然ガス大手PGNiGの買収
に向け、国家資産省と基本合意書を交わしたと発表した。「液体燃料だけでなくガ
ス・電力も守備範囲に収める多角的なエネルギー企業」を組織するという政府の方
針に沿うものだ。オルレンは今年、電力大手エネルガを取得したほか、14日には欧
州委員会から条件付きで国内石油2位ロトスの買収許可を受けたばかり。
オルレンは今後、国家資産省の保有するPGNiG株71.88%の取得に向けて具体的な交
渉に入る。取引の成立には両社株主および競争当局の承認が必要となる。両社の合
併計画の詳細は明らかにされていないが、オルレンのオバイテクCEO(最高経営責
任者)は「約1年かかる」と見通しを語った。
オルレンの2019年売上高は1,110億ズロチ(248億ユーロ)、PGNiGは422億ズロチに
上った。モラヴィエツキ首相は両社が合併すれば「コア利益が最大200億ズロチ
(51億米ドル)に達する」と予想する。
オルレンは製油・石油販売を手がけ、国内のほか、ドイツ、オーストリア、チェ
コ、スロバキア、バルト諸国で事業を展開する。
PGNiGは石油・天然ガスの開発生産会社。同社が権益を有するノルウェー・オフ
ショア鉱区から天然ガスを輸送する「バルチック・パイプ」の敷設計画は、燃料の
対ロシア依存からの脱却を目指す政府の戦略で重要な位置を占める。
(1PLN=27.30JPY)